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退職前の有給消化は誰でもできること?
「退職前にまとめて有給消化をしている」といった話はよく聞きますが、これは会社勤めの方ならどんな方でも行うことができるのでしょうか?有給休暇は、労働基準法第39条によって認められているものなので、正社員だけでなく、パートタイム、アルバイトの人であっても以下の2つの条件を満たせば必ず取得することができます。
- 6ヶ月以上勤務している
- 全労働日8割以上実際に出勤した(労働日が120日の場合は96日以上)
退職前の有給はこうとる!計画をたてて円満に!
引き継ぎなどは事前にしっかりと行う
「辞める前に休むなんて、会社が許してくれないかも…」と思われる人もいるかもしれませんが、会社側は有給休暇の取得を拒否することはできません。条件を満たせば正社員はもちろん、パートタイムやアルバイトの場合であっても退職前に有給休暇を消化することは誰でも可能です。
しかし、だからといって突然有給休暇を消化することは周りの方への迷惑になりますので、できるだけ会社の繁忙期を避けたり、引き継ぎなどを事前にしっかりと行っておくとスムーズに有給休暇を取得できるでしょう。
通常の有給休暇取得の場合、会社側は繁忙などを理由に時季変更を依頼することができますが、退職時には退職日が決まっているので、繁忙であっても時季変更もできません。
このように聞くと、退職前にはどんな場合も有給消化できそうに聞こえますが、円満に退職するためには会社と本人が納得のうえで有給休暇を取得したいですよね。
以下に有給休暇を計画的に取得する方法をまとめましたので、有給消化の参考にしてみてください。
<有給休暇残日数の確認を確認してみましょう>
自分の有給休暇が何日残っているのか、会社に確認をとったり就業規則を確認したりしてみましょう。
実際に有給休暇を申請するためには、まずは有給休暇を何日取得できるのか計算する必要があります。
入社後6ヶ月の勤務で10日の有給休暇、その後1年ごとに10日に1日の計算で有給休暇が与えられます。遅刻や早退ばかりしてしまったので有給休暇が取れるのか不安…という場合でも心配ありません。遅刻や早退はきちんと1日出勤したとカウントされます。また、産前産後休暇、育児休暇なども出勤したとカウントされます。体調不良や産前産後休暇によって8割以下の出勤率になってしまった場合でも、その分は出勤したと数えて有給休暇を申請することができます。
<退職日の相談>
退職することを決めたら、上司に意向を伝える段階で「引継ぎ+有給休暇」を考慮した退職日を伝えましょう。 その際、引継ぎ〇日・有給休暇〇日、と計画を詳細に伝え、納得してもらうことが重要です。
<有給休暇の買い取り>
原則、有給休暇の買い取りは法律上禁止されています。
ただし、退職に伴い有給を取り切れない場合にはその限りではありません。
注意しておきたいのは、有給休暇の取得と違い、買い取りを受け入れる義務は会社にはない点です。
その場合はやはり、有給休暇を取得できるよう会社と調整するのがいいでしょう。
転職先の入社日に余裕がある人は、退職日を変更してもらうことで対応してもらうよう提案するのもいいかもしれません。
<注意事項>
転職先が決まっている場合、「有給消化したいため入社を○○日まで待ってください」というようなことは言わないようにしましょう。 引継ぎ・退職日・入社日の都合上有給消化が難しく、買取にも応じてもらえないなど、有給を諦める結果にならないためにも事前の計画が必要なのですね。
どうしても会社側が有給休暇取得に応じない場合などには、労働基準監督署に相談してみるのもいいかもしれません。
退職時の有給消化の申請でよくあるトラブル
退職時の有給消化の申請では、以下のようなトラブルがよくあります。
- 繁忙期なのでまだ職場に残って欲しいと言われる
- 後任者が居ないので職場に残って欲しいと言われる
- 引き継ぎが終わってないのに有給を消化をするのか?と脅迫される
- 有給を買い取るので勤務してくれと言われる
もし直属の上司に退職届と有給消化を認められない場合、さらに上の上司や総務部に相談しましょう。有給を買い取って欲しいと言われた場合、納得できる場合は譲歩しても構いませんが、どうしても有給休暇を取得したい場合は問題なく取得できるので安心しましょう。
事前に調査を!賞与に影響する転職スケジュール
「ボーナスを受け取ってから転職したい!」と考えている人は多いですよね。 賞与を受け取って転職・退職するために意識すべきことは以下の2つです。
<賞与規定>
就業規定などに記載のある「賞与規定」を確認してみましょう。
-
・賞与の扱い(注1)
・評価期間
・支払日
・支給日在籍条項の有無
(注1)賞与の扱いが「賃金」なのか「恩給」なのか確認してみましょう。賃金である場合、会社には賞与の支払い義務がありますが恩給であれば支払い義務はありません。
<転職・退職スケジュール>
賞与額が決定する前に退職意思を伝えた場合、「評価結果」として賞与額が減額してしまうことも考えられます。 転職スケジュールなどに問題がなければ、賞与額が決定してから退職を申し出ましょう。
逆に評価期間中に退職の意思を申し出たほうがいい場合もあります。
例えば、転職で新しいプロジェクト参画が決まっている場合などは、賞与のために入社を遅らせるより、転職前の賞与が多少減額しても入社日を守ったほうがいいかもしれません。
一時的に損をしたような気持になるかもしれませんが、入社後の評価・賞与算定を考えれば、転職先でのボーナス額が大きく変わってくる可能性があります。
転職・退職準備をはじめたら、これらを意識して、いつ退職を申し出るのか、退職日はいつにするのかなどのスケジュールを決めていきましょう。 転職の場合には内定・入社日も想定しておきたいですが、相手のあることなので日程を正確に予想することは難しそうです。 転職前・転職後の賞与について、どちらでどのような評価が期待できるのかを見極めることも肝心です。
退職時の有給・賞与まとめ
退職時に有給・賞与を無駄なく取得する方法を確認してきました。 それでは最後に、退職時の有給・賞与についてもう一度確認してみましょう。
- 有給取得は会社は拒否できない
- 有給買い取りは交渉の手段(会社には買取義務はない)
- 引継ぎ+有給消化から退職期間を算定しておこう
- 有給消化期間を考慮した退職日であることを事前に上司に申し出ておくこと
- 賞与の受け取り条件は規定を確認しておこう
- ボーナス額が確定してから退職の申し出を
- 転職先の状況によっては賞与額を諦めることが後の特になることも!
冒頭で説明した通り、有給休暇は条件を満たせば必ず取得できるものです。そのため、会社の繁忙期を避ける、引き継ぎのタイミングを上司に相談するなどを気をつければ、堂々と申請できるものです。 「迷惑をかけたくない」と諦めずに、事前にきちんと計画を立てることで、円満に有給・賞与を取得したいですね!
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