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退職届・退職願・辞表のどれを書けばいいの?

退職を決めても、退職届の提出と同時にある日突然退職できるというわけではありません。 円満に退職するためにも、上司に相談し、退職の手続きを進めていきたいですよね。
退職届・退職願は、必ずしも提出しなければならない書類ではなく、会社から提出を求められない場合もあります。 ですが、上司に意向を伝える際のお互いの認識違いによる揉め事などを防ぐためにも、提出しておくことをおすすめします。

では、退職届・退職願のどちらを書いて提出すればいいのでしょうか。

■退職届と退職願には以下のような違いがあります
・退職届 … 退職の宣言(労働契約の解約通告)
・退職願 … 退職のお願い(労働契約の合意解約申入れ)

似ているようにも見えますが、「違う」というそれぞれのルールについて確認してみましょう。

<退職届>
退職届を提出すると、会社側は引き止めたり拒否したりすることはできません。 届け出をしてから最短2週間で退職することができます。 ただし、退職届は撤回することができない点にも注意しておきましょう。
<退職願>
退職願は退職届と違い、退職させてくださいとお願いする書類になります。 人事決定権のある人の手に届き、承認されてはじめて退職が合意されたものとなります。 直属の上司が退職願を預かっている、という段階では、撤回するということもできます。 ですが、退職について悩んでいたり撤回する可能性があったりする段階では、できれば退職に関する書類は提出しないほうがいいですね。
<辞表>
辞表の意味合いは退職願と同様ですが、辞表を用いる人に違いがあります。退職願・退職届は一般社員が使うものですが、辞表は役職に就いている人が提出するものとなります。就いている役職を辞めること、という意味合いがあるのです。

以下に書くべき書類を見分ける方法をまとめてみます。 自分のケースに当てはめて書類作成をはじめてみてください。

<退職に対して会社から納得を得られている>
・会社でフォーマットが決まっている/会社側から提出書類の指示がある…会社の指示に従いましょう。
・会社でルールを設けていない…退職願を書きましょう。
<退職に対して会社から納得が得られない>
・退職届を書きましょう。

マナーを守って気持ちよく退職を!退職届・退職願の書き方とは?

それでは実際に退職届・退職願を書いてみましょう。 使用するのに適した道具は以下を参考にしてみてください。

<用意するもの>
・白色のA4またはB5便箋
・ボールペンもしくは万年筆

退職届、辞表の書き方ポイント

  • ①「退職届」または「退職願」の記載
  • ②提出する日付
  • ③自身の所属
  • ④退職希望日付
  • ⑤退職理由
  • ⑥宛先

①「退職届」または「退職願」のどちらであるかの記載 について

これは前述のとおりで、退職の相談段階であれば「退職願」を、決まったことであれば「退職届」を記載してください。なお、円満退社でいきたいのならまずは退職願を上司に提出し、相談の後に退職届を提出するという手順の方が良いでしょう。
また退職届の場合には退職することを、退職願の場合は退職の希望を伝えるという内容になります。

②提出する日付 について

上司に提出する日付です。事前に記載した日付に提出できるかどうかわかない場合には空欄にしておいて、提出すると決めたその日に日付を記載するということでもいいでしょう。

③自身の所属 について

会社名、所属部署、氏名を記載します。

④退職希望日付 について

何日付での退職を希望するのかを記載します。話し合いの後に退職日が決まっているならその日を、話し合いをしていないなら希望日を記載して相談して決めることになりますが、会社が『退職については○ヶ月前に申し出ること』と規定している場合にはそれを守るようにしましょう。

⑤退職理由 について

個人的な事情、家庭の事情などであれば『一身上の都合』と記載して問題ありません。しかし会社側に責任がある事情によって退職を余儀なくされた場合には『会社都合により』と記載すればよいでしょう。

⑥宛先 について

働いている会社の代表、社長宛てとなりますが、あくまで提出先は自分の上司となります。
次に辞表についてですが、基本的に退職届(退職願)と同様の構成で問題ないでしょう。そのため、「退職届」か「退職願」の箇所を「辞表」と変更すれば内容としては問題ありません。

会社のフォーマットがある人は指示通りに記入し提出しましょう。 特にフォーマットが決まっていないという人は注意事項も確認のうえ、以下の文例を参考にしてみてください。

【例】

               退職届

この度、一身上の都合により、平成○年○月○日をもちまして退職いたします。

                        平成○年○月○日
                   ○○部○○課 ○○ ○○ 印
○○株式会社
代表取締役社長  ○○ ○○殿

<退職届>
1.表題 : 1行目中央に「退職届」と記載
2.書出し : 2行目下部に「私事、」と記載
3.本文 : 「この度一身上の都合により、来る平成○○年○○月○○日をもって退職いたします。」と記載。この時、具体的な退職理由の記入はせず、「一身上の都合」とするのが一般的
4.提出日 : 提出日を記載
5.所属部署 : 所属部署を記載
6.署名/印鑑 : 署名し、シャチハタ以外の印鑑を捺印
7.会社名/宛名 : 会社名・社長名を記載。敬称は「殿」とするのが一般的
<退職願>
1.表題 : 1行目中央に「退職願」と記載
2.書出し : 2行目下部に「私事、」と記載
3.本文 : 「この度一身上の都合により、来る平成○○年○○月○○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」と記載。この時、具体的な退職理由の記入はせず、「一身上の都合」とするのが一般的
4.提出日 : 提出日を記載
5.所属部署 : 所属部署を記載
6.署名/印鑑 : 署名し、シャチハタ以外の印鑑を捺印
7.会社名/宛名 : 会社名・社長名を記載。敬称は「殿」とするのが一般的
<注意事項>

ここでは自分の意志で退職する場合の退職届・退職願の書き方について紹介しています。
もし、退職が自分の意志ではない場合(退職勧奨・解雇など)、特に「一身上の都合により」という文言を記入する点で注意が必要です。 例えば退職勧奨の場合、「一身上の都合により」という文言を「退職勧奨を応諾し」という文言に変えることがあります。 以下のように退職が自分の意志ではない場合、退職届が必要ないこともありますので、提出前に確認してみてください。

・期間の定めのある労働契約が終了する場合
・退職を勧められた場合
・解雇の場合

退職届・退職願が不利に扱われないよう、退職理由に不安がある場合は、提出する前に労働基準監督署に相談するなどの対応をとりましょう。

いつ出すのが適切?退職届・退職願の提出タイミング

退職届・退職願を作成したら、次はどんな時にどのように提出すればいいのかという疑問がわいてきます。 マナーを守った期限・タイミングで提出したいですよね。 それでは、退職届・退職願の、適切な提出タイミングを確認してみましょう。

<退職届・退職願の提出期限>

退職届・退職願は必ずしも提出しなければならない書類ではないこともあり、提出期限は会社によって異なります。 「提出しなければならない書類ではない」といっても、円満退職するためには提出しておきたい書類です。 会社の就業規則で提出期限を定めている場合もありますので、退職を決めたらまず就業規則を確認してみましょう。 就業規則に定めがない場合には、1~2か月前に提出するのが一般的です。

<退職届・退職願の提出タイミング>

提出タイミングとしては、思い立った時に突然人事部に提出する、というのは好ましくありません。 提出先は直属の上司として、退職の意思を伝え、合意を得たうえで退職届・退職願を提出しましょう。

退職に対して上司から合意を得られない場合、退職届を提出することで雇用契約を終了するということもあるかもしれません。 その場合、民法第627条に注意し、雇用契約解約の申し入れをしましょう。 期間による報酬の定めがない場合には、2週間前までに提出することで契約を終了することが可能です。

書類準備ができたら…退職届・退職願の提出方法

いざ退職届・退職願を提出するタイミングでは、どのような提出方法で書類を提出すればいいのでしょうか。 提出方法・封入方法について以下を確認してみましょう。

<提出方法>

「退職届や退職願は直接渡しづらい」と思っている人もいるかもしれませんが、提出タイミングでも確認したように、直属の上司に退職意思を伝えたうえで直接手渡しで提出しましょう。 不在時にも机の上に置いておくのではなく、直接渡すことができる機会を待って、手渡しで提出するのが円満退職のポイントです。

<用意するもの>

  • 退職届/退職願がB5の場合「長形4号」の白封筒
  • 退職届/退職願がA4の場合「長形3号」の白封筒
  • 黒インクのボールペンまたは万年筆

サインペンや筆ペンなどで書いた方がいい気がしてしまうかもしれませんが、目立ちすぎてしまうため、黒ボールペンや万年筆が適切です。 また、フリクションボールペンの使用は避けましょう。

封筒の選び方では、郵便番号の記載欄がついていないもの、中身が透けないものを選ぶのがいいでしょう。

<封入の仕方>
・退職届/退職願を用紙の下側から三つ折りにする
・封筒裏面を上向きにして用意しておく
・退職届/退職願を封筒に入れる(用紙を三つ折りにする前の右上部分が封筒裏面の右上と重なる方向で封入)
・封はしない、もしくは封をする場合には〆の記載をする
<郵送が必要な場合>
入院などで体調を崩されて退職される方の中には、退職届・退職願提出を郵送で求められる場合があるかもしれません。 その場合、退職届を入れた封筒より大きな外封筒を用意し、送付状を添えて郵送しましょう。 「受け取った」「受け取ってない」などの揉め事を防ぐためには、内容証明郵便を利用するのも有効です。

退職届・退職願・辞表の書き方まとめ

退職届・退職願・辞表の書き方についてご紹介してきました。 最後にもう一度書き方についてまとめておきますので、作成する際の参考にしてみてください。

  • 退職届・退職願は会社のフォーマットがあるかどうか確認を!
  • 退職の合意が得られていて、特に指示がない場合は「退職願」
  • 「退職届」には一方的な解約の意味合いも
  •  
  • 「辞表」は役職に就いている人が提出するもの
  • 用紙は白地のA4またはA5の便箋
  • ボールペンか万年筆を使用する
  • 文例を参考にしてみよう
  • 自己都合退職以外の人は退職理由の記載に注意!

今まで勤めてきた会社を退職する手続きとなる退職届や退職願。マナーを守って丁寧に対応し、気持ちよく退職したいですね!

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